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 むかし、上野国(こうずけのくに)に、今の群馬県にお城をかまえていた、岡田隼人守(おかだはやとのかみ)という侍がおりました。この岡田隼人守はたいへん信仰心があつく、神様や仏様をうやまっておりました。ことに、その城下の沼におまつりしてある龍神様を深く信仰しておりました。
 ところがこの龍神様、なんの因縁でしょうか、そのご分身を、はるばる遠い板橋の赤塚にさし向けられ、赤塚城下の水ぼり、今の溜池公園の池の底に、ひそかに住まわされていたというのです。
 あるとき、群馬県に住んでいて龍神様を深く信仰している人たちが数人で上京してきまして、溜池の淵でうやうやしくおまつりをされました。この人たちは、口々にこう話しました。
 「数日前から龍神様が毎夜のように私たちの枕元に立たれまして、『自分は、ここ=群馬県=の龍神の分身ですが、今は板橋の赤塚にある溜池に住んでおりますが、ふとしたはずみで胸の上に大石を投げこまれ、ひん死のありさまにおかれております。どうか大至急、池の端で供養して助けてください。』と、おっしゃるのです」。
 このお告げに驚いた信者さんたちは早速、お供えの品をととのえて、溜池の柳の大木の木陰に、お供え物をならべ、お祈りの式を挙げ、お供え物を一品一品ていねいに、池に流してこの式を終えたとのことです。龍神様は胸にのっかった石を取り除き、元気になられたことでしょう。
 龍神様の胸を押しつぶしていた石が、工事中の石くずか、子供たちがいたずらに投げ込んだ石であるのかはわかりませんが、とにかく、皆が自然を愛し、うやまわなければならないことを、さとされたようなお話です。
※参考資料・出典 「いたばしの昔ばなし」(板橋区教育委員会 発行)
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